こちら国立市谷保第一公園前中華食堂 谷保『カツミ軒』
JR南武線の谷保駅近くには、歴史ある街中華がいくつか存在する。
荻窪の人気ラーメン店の流れを汲む『丸信』や、3回前に紹介したガッツリ飯店『天極家』、
そして今回語らせていただく、創業1975(昭和50)年の『カツミ軒』も、そのうちの一軒である。

追記すると、丸信の創業は1965年とさらに古いらしく、天極家の創業は2009年だが、
現店主の親類が、同じ場所で別名の中華食堂を営んでおり、長い歴史があるようだ。
カツミ軒の場所は、駅北口を出て数分歩いたところにある、谷保第一公園のすぐそば。
ほぼ原型をとどめていないが、今回のタイトルは、秋本治先生の「こちら葛飾区亀有公園前派出所」が元ネタである。
こちらのお店も天極家さんと同様、鈴木隆祐先生の著書「愛しの街場中華」で存在を知り、今から5年前に初訪問。
店頭にはテラス席(?)もあるが、私は店内カウンター席へ。常連らしき先客が飲酒しているが、
この日は食事だけにしておき、好物の「餃子」と、五目ソバが見当たらないので、「チャンポンメン(塩味)」を注文。
厨房のご夫婦が、好連係で双方の料理を完成させた。「カツミ」というのは、おじちゃんの名前のようだ。
こちらは、炒め(一部焦げ)た具材をたっぷり乗せたチャンポン。当時950円で現在は1100円。

餃子は、当時350円で現在は450円だが、「5コ以上ならいくつでもどうぞ」なので、+90円で個数を増やせるのだろう。

チャンポンの丼サイズは普通だが、具だくさんで量が多いため、スープは縁ギリギリ。

炒めてアンにからめた具材は、キャベツ、玉ねぎ、人参、ピーマン、キクラゲ、竹の子、カマボコなど。
具材が全体的に大ぶりで、下記画像ではわかりづらいが、人参は輪切りでかなりのデカさ。

この頃は麺リフトは滅多にやっていないので、麺のアップ画像はないが、ウエーブのかかった細麺であった。
本場長崎の商品とは異なる、街中華ではよくある「お店独自のチャンポン」だが、これはこれでイケる。
一方の餃子は、野菜主体の緑色したアンで、ニンニクが効いた、私の好きなテイスト。

チャンポンのスープとデカ人参を残してしまったが、他は食べ切り「ごちそうさまです」。
数ヶ月後に再訪し、今度は私も一杯やることに。
冬の時期だったので、店内貼紙で“ホットもできます”と記されていた、「ウーロンハイ」のホット400円を注文。
関係ないが、厨房内の食器棚には、なぜかドラえもんの「かき氷製造機」が置いてある。夏の時期に使用するのかな?

おつまみには、「ホイコーロ定食」850円の単品→100円引きの750円を選択。
まずは、おばちゃんがレンジでウーロン茶を温めて作った、ウーハイがお通しのキムチと一緒に登場。

ビールのように泡が発生しているが、これはおばちゃんが加熱後にかき混ぜたからだろう。
ウーハイは現在、ホット&アイス共通で450円。ホイコーロ定食は現在1000円なので、単品は900円だ。
数分後、おじちゃんが仕上げたホイコーロが、中華丼に使用するような器で提供された。

上記画像だと、一見少なく見えるだろうが、お皿が深くデカいだけで、量自体は普通サイズだ。

たまたまかもしれないが、キャベツは柔らかい部分だけを使用しており、実に食べやすい。
甘辛の味噌タレは、ややしょっぱかったが、豚肉との絡みは上々で、ホットウーハイをお替わり。
ホイコーロを食べ終えたので、締めの食事とウーハイのアテを兼ねた、「マーボー丼」700(現850)円を追加注文。
店内に設置してあるスポーツ新聞を熟読していたため、調理過程を見学していなかったのだが、
ホイコーロと同じ器に盛られた麻婆丼は、あまり目にしたことのないビジュアル。

ひき肉ではなく、ホイコーロと同じ細切れ肉を使用し、刻みネギと薄いオレンジ色のタレが少々。
辛さもとろみもほとんどないが、味は決して悪くなく、オリジナルの豆腐料理という印象。
付け合わせのスープは、店頭看板に記された「なつかしい昭和の味」という表現がしっくりくる醤油味。

鶏ガラベースで中華屋さん独特の風味。おそらく「ラーメン」と同じスープだと思われる。
卓上に、写真の辛味調味料があったので、麻婆丼に使用してみたら、ほどよい刺激で食欲が増す。

おじちゃんに「この調味料いいですね! 自家製ですか?」とたずねたら、否定されてしまった。これは気まずい。
だいぶ昔、サラリーマン時代の上司が独立開業した洋食屋さんで、ハンバーグの定食を食べた際、
ハンバーグや付け合わせの副菜よりも真っ先に、コーンポタージュを絶賛したところ、
「そのポタージュだけ市製品だ」と、元上司にムッとされたのを思い出した(苦笑)。
おじちゃんはムッとしたわけではないが、なんとなく行きづらくなり、その後はしばらく足が遠のいた。
そもそも、谷保というエリアは、自宅から徒歩約45分くらいかかるため、歩くのはしんどいけど、
ドケチの私にとっては、電車に乗るのはもったいない距離という、しょーもない理由もあった。
※同じ理由で、立川市内の西武拝島線沿線や、JR昭島駅周辺のお店にも縁がない
結局、約4年半後の今年に入り、ようやく3度目の訪問。
久々に入店したら、カウンター席に座っていた男性が、「いらっしゃい」と挨拶したのち厨房へ。
彼は息子さんだったようで、調理担当は代替わりしたが、お父さんのカツミさんも、店内で常連客の相手をしている。
写真はないが、最初にウーハイ・ホットを注文し、値上げ後の最新メニュー表を撮影。

この4年間で、どの商品も50~150円ほど上がった模様だが、それくらいは仕方ないよね。
おつまみには、好物のキクラゲ玉子炒めに近そうな、「肉ニラ玉定食」の単品1000円をチョイス。
息子さんの調理作業を見ていたが、お父さんと遜色のない手さばきで、素早く肉ニラ玉を完成させた。

盛り具合いのよさを理解してもらうべく、横アングルも撮影。上からのアングルはピンボケなので(苦笑)ちょうどよかった。

お皿は、餃子に使うような楕円形で、こっちの方が量が少なく見えないのでいいと思う。
具材はキャベツ、モヤシ、ニラ、玉子、豚肉に、人参とキクラゲも少々で、塩コショウ主体の味付け。
途中でお通しのキムチを乗せ、ウーハイをゴクゴク飲み干す。例の辛味調味料も加えればよかった。

ウーハイを飲み終えたところで、シメのお食事を頼むべく、メニュー表を凝視。
食べたことのない「ラーメン」650円と「チャーハン」850円のどちらにするか熟考した挙句、
双方が食べられる「①セット ラーメン(醤油・塩)+半チャーハン」1100円にした。
おばちゃんがラーメンを担当し、息子さんが中華鍋を振り、半チャーハンを作成。
息子さんが、この店で働いているのは初めて見たが、どこかで修業したのか、中華のキャリアは豊富そう。
後継者不足で廃業していく飲食店も多い中、腕利きの息子さんがいるカツミ軒さんは、当分安泰のはず。
創業者の父カツミさんも、さぞ喜んでいることだろうし、街中華ファンの私も嬉しい。
先に、息子さんが仕上げた半チャーハンが登場。

商品名は「みに」だが3/4くらいある、前々回『武蔵庵』のかつ丼と同様、このチャーハンも半とは思えぬ量。
一般的なチャーハンの2/3はあるはずで、量を示そうとレンゲで広げてみたが、かえってわかりづらいか。

ちょうどその頃、ラーメンも完成。醤油スープは麻婆丼で味わったので、「塩」を選択した。

初回のチャンポンも塩味だったが、具材と中華アンが目立ってしまい、純粋に塩スープを味わうのは今回が初。
やや薄茶色に濁ったスープを啜ってみると、塩分は控えめで、ほんのり魚介風味。
透明で化学調味料丸出し(嫌いではないが…)の塩スープとは一線を画す、穏やかなスープのラーメンだ。
具材はチャーシュー、メンマ、モヤシ、ナルト、ワカメ、ネギ。細縮れ麺のリフトも撮影した。

チャーハンの方は、少ししょっぱめだが、パラっとした口当たりで、ラーメンのお供に最適。
具材はチャーシュー、玉子、ナルト、ネギのオーソドックスタイプかと思っていたが、
たまに大ぶりなチャーシューに当たるため、再確認したら、回鍋肉や麻婆丼と同じ肉片も入っていた!

パラっとツヤっと炒め、あとからナルトとチャーシューを乗せる、すぐ近くの天極家さんのチャーハンも絶品だが、
最初からチャーシューとナルト、さらに細切れ肉も炒めて香ばしさを出す、ここのチャーハンも美味しい。
最近、食が細くなった私ゆえ、肉ニラ玉、ラーメン、半チャーハンにウーハイ2杯は、さすがにキツかった。
お腹をさすりつつ、おばちゃんにお会計をお願いし、お店を出た。
その後は、すぐに谷保駅に向かわず、公園から見たお店を撮影。
谷保第一公園は、園内に赤い汽車の遊具があるため、「汽車ポッポ公園」という別名もあるそうだ。

テラス席で飲んでる客がいるように、温かい時期は、すぐ目の前の公園ベンチで飲み食いする常連もいる。
さらに、冒頭で触れた鈴木先生の著書では、「公園に出前をしてくれる」の説明文とともに写真も掲載。

上記写真では、現在とは店頭の看板が異なっている。公園のテーブルで食事をしている、帽子の方が鈴木先生か?
出前料は、合計金額に+100円なので、いつか飲み仲間を集めて、この公園でカツミ軒宴会をしてみたいね。
おまけ
会計時、おばちゃんからいただいたプレゼントカード。

おばちゃんが会計のときしかもらえないので(笑)、現在の所持数は2枚。
あと8枚もらい、ラーメンを食べたいと思うので、カツミ軒の皆さん、今後もよろしく!
カツミ軒
東京都国立市富士見台1-10-1
JR谷保駅から徒歩約3分、国立駅からは推定26分
営業時間 11時~14時、17時半~20時半、ラストオーダーは30分前
定休日 日曜
※ゴールデンウイーク中の営業は不明